浴室や洗面所、キッチンの水回りからリビングや玄関まで、家中のお掃除に活躍する便利なケルヒャーのスチームクリーナー。
唯一のスティックモデル「SC1 EasyFix」の使い勝手など、メリット、デメリットをまとめてみました。
SC1 EasyFixの使い方
ヒートアップタイム
密閉したボイラー内の水を約143℃まで熱し、約100℃のスチームを噴射するスチームクリーナー。
スチームを発生させるためのヒートアップ方法は、カンタン3ステップ。
- ボイラータンクに200mlの水道水を入れる
- 電源プラグをコンセントに差し込む
- 電源スイッチを押すと約3分でヒートアップ完了
電気ポットのように沸騰する音がするので、音が落ち着いたらヒートアップ完了。
ヒートアップ完了を目で確認できないのは難点ですが、温度が下がると再加熱を繰り返し、水が無くなると自動的に加熱を停止するので、異常加熱や空焚きの心配なく使えます。
スチーム噴射
- スチームボタンを押すだけ
- 1回の連続噴射時間は約6分間
ヒートアップが完了したら、スチームボタンを押すだけでスチームを噴出。
スチームボタンを押している時だけスチームを発生させることができ、スチームボタン下のロックボタンをONにすれば、誤ってのスチーム噴射を防ぐこともできます。
給水
水が無くなったら、安全バルブ(ボイラー蓋)を開けて再び給水しますが、タンク内の温度が熱すぎると空回りして開けられない設計になっています。
火傷しないための安全装置ですが、続けて使いたい時はちょっと不便。
ボイラー内の温度が高く、開けられない時は安全バルブが空回りし、開けられる時は回しはじめに、圧力鍋のようなプシュと圧が抜けるような音がします。
アクセサリー
先端のアクセサリーをつけ替えることで、幅広いお掃除が可能に。
「SC1 EasyFixプレミアム」との違いは、アクセサリーの種類や数の違いです。
一番大きな違いは、本体カラーと「スポットノズル」の有無ですが、アクセサリーや安全バルブ(ボイラー蓋)などの補修部品は、別途購入することも可能です。
SC1 | SC1プレミアム | |
フロアノズル(クロス) | 1(1枚) | 1(2枚) |
ハンドブラシ(カバー) | 1(1枚) | 1(2枚) |
ノズルヘッド | 1 | 1 |
ブラシ | 2 | 3 |
スポットノズル | - | 1 |
延長スチームホース | 1 | 1 |
パイプ(2本) | 1 | 1 |
ボイラー洗浄剤 | 1 | 1 |
計量カップ | 1 | 1 |
アクセサリーは、組み合せて使います。
クロスやカバーは、洗濯機で洗って何度も使用でき(柔軟剤は使わない)、床や壁掃除など長さが足りない場合は、延長スチームホースやパイプを使用します。
ノズルヘッド+ブラシ | タイル目地 ・排水口・水道蛇口・サッシレール ガステーブルの油汚れ |
ハンドブラシ+カバー |
洗面台・シンク・IHクッキングヒーター |
フロアノズル+クロス | 床 |
お手入れ(ボイラー洗浄)
普段はボイラー内を水ですすぐだけでよいですが、使用50回またはボイラー内に水垢が付着した時は、付属のボイラー洗浄剤を使用して洗浄します。
ボイラー洗浄剤1包を水または60℃以下のぬるま湯0.5ℓに溶かして使いますが、ボイラー容量は0.2ℓなので入れ過ぎないように。
「SC1 EasyFix」メリット
コンパクト
スティックタイプなので、「SC2 EasyFix」などのキャニスタータイプと比べ、コンパクトで収納・持ち運びに便利。
安全装置
- 温度調節センター:ボイラー内温度が下がると再加熱
- 空焚き防止センサー:ボイラー内の水がなくなると加熱停止
- 安全バルブ:使用中は給水口が開けられないようにロック
- ロックボタン:スチームボタンをロック
「温度調節センサー」で異常加熱を、「空焚き防止センサー」で空焚きを防止。
ヒートアップ中やスチームを噴出させたくない時は、ロックボタンでスチームボタン自体をロックすることもでき、使用中は開けられない安全バルブ(ボイラーの蓋)は、蒸気やけどを防ぐことができます。
水がなくなったのに気づかずに、スチームボタンを押し続けたりして、ボイラー内が熱くなり過ぎると、ロックボタンが押せずロック機能が麻痺することがありますが、温度がある程度下がるとまた使えるようになるので、無理に押し込まないように。
アクセサリー
種類豊富なアクセサリーは、多様なお掃除を可能にしとっても便利。
特に活用度の高いブラシは、黒と黄色が1個ずつ付いてくるので、ガスコンロ周りの油汚れ用、浴室や洗面台用と2色で使い分けることができます。
床掃除に欠かせないフロアノズルとクロスは、面ファスナー式になっており、ワンタッチで脱着できるのもとっても便利です。
追加したり買い替えたりできるよう、すべてのアクセサリーが別売もされているのも、長く使い続けたい身にはありがたいです。
「SC1 EasyFix」デメリット
再給水
スチーム連続噴射時間、約6分であっという間。
ヒートアップタイムの約3分はそれほど気になりませんが、スチーム噴射中はとっても短く感じます。
1回の連続噴射時間が短いのは、タンクが小さくてコンパクトなので仕方ないですが、それよりもスチーム噴射中だけでなく、ボイラー内の温度がある程度下がるまで、安全バルブ(ボイラー蓋)が開けられないのが不便。
連続給水しながら長時間連続使用したい人には、本当に不向きです。
やけどなどのリスクを防ぐ安全装置が、連続使用には仇となる感じで残念。
ヒートアップ完了・ボイラー内確認
ボイラー内の温度が下がると自動加熱してくれますが、ヒートアップ完了をランプなどで知らせてもらえないのは不便。
電気ポットのように沸騰する音が落ち着くのがヒートアップ完了の目安になります。
またボイラー内の水量も外から確認することができないので、スチームの弱まりで残量を予測するしかないです。
アクセサリー
多種多様な付属品が多いのはメリットですが、ゆえに注意が必要なものも。
活用度が高いブラシの先端はかため、使っているうちにやわらかくなりますが、力任せに擦るのはタブーで、傷つきやすいクロムメッキなどの素材は注意。
タワシほどのかたさの別売の真鍮製ブラシもなど、素材によっては別途購入したほうが良さそうなアクセサリーも。
傷つきだけでなく、素材によっては変色、変形する場合もあるので、完全に乾燥した後、色落ちや形状に問題がないか目立たない部分であらかじめ確認しておこなうと安全。
布製のソファーやカーペット、椅子などもあらかじめテストして使用するのがおすすめです。
実際に使ってみての感想
コンパクトさ
これまで使用していたスチームモップの代替えとして、コンパクトさに惹かれて「SC1 EasyFix」を購入してみました。
床掃除目的だったものの、出し入れしやすいコンパクトさで、床掃除だけでなくガスや水回りを掃除する機会が増え、どちらかというとある程度汚れたら掃除する派から、日々ちょこちょこ掃除派になったのは、「SC1 EasyFix」だからこそ。
連続噴射時間
噴出時間は短いのは承知していましたが、タンク内の温度が下がるまで次の給水できないのは想定外。
最低限モップ掛けしたい範囲だけでも、2~3回は給水は必要なので、正直失敗したかもと思ったのですが、次の給水までの間ほかの場所を掃除したり、ほかのことをしながら待つことで、それほど苦にはならなくなりました。
連続噴射しないことに不満だったのははじめだけで、今は「SC1 EasyFix」だけで掃除するいう概念は捨て、ほかのことをする合間に「SC1 EasyFix」を噴射するという感覚。
とはいえ繰り返し使うほど、本体も熱くなりボイラー内の温度が下がりにくくなるので、1回目の再給水は10~15分後にできても、何度も給水して使う時は、時間に余裕を持ったほうがよいです。
床掃除
コンパクトなハンディタイプの「SC1 EsayFix」ですが、個人的には噴射度は十分。
何よりこれまで使っていたスチームモップより、ノズルが軽くて快適。
床掃除後のビチャビチャ感もまあまあ。
清掃範囲は、20㎡(約12畳相当)となっていますが、我が家はやはり1回では済まないので、時間の余裕度によって何日かにわけて済ませる場合と、何回か給水してまとめて掃除する日がある感じ。
何日かにわけてできるのは、気軽に出し入れできるコンパクトさゆえのメリットでもあり、使っているうちに1回の給水でできる範囲も把握できてくるので、私はそれほど不便さを感じませんが、もっと清掃範囲が広い人は、やはり「SC2 EsayFix」キャニスタータイプを検討したほうがよいかも。
ガスコンロ
洗剤なしでも汚れが落ちるのが魅力ですが、頑固な油汚れは重曹などと併用がおすすめ。
油が焦げついた黒ずみには効果が薄いとのことでしたが、セスキ炭酸ソーダを水に溶かしたものをスプレーして置いてから、スチーム噴射すると思ったよりキレイになりました。
換気扇などの焦げついてない油汚れは、スチームでもよく落ちますが、頑固な焦げつきは、1回で落とそうと力ずくでブラシでごしごしするのは、傷つきの原因にもなり逆効果。
1回のスチームだけで油汚れを浮かせるのは難しいので、セスキ水などの力も借りて、根気よく何度か行うのがコツです。
油汚れがスチームで浮きはじめて、ブラシで少しずつ落とせるようになると、結構楽しいです。
使用済みのカバーやクロスの油汚れも、直接洗濯機で洗うより重曹などでつけ置き洗いするほうが、次回もキレイに気持ちよく使えます。
まとめ
消毒液・洗剤なしでも除菌効果が高いケルヒャーのスチームクリーナー。
最近は、除菌目的で購入する人も増えているようですね。
はじめは「こんなはずじゃなかった」と思うこともあった「SC1 EsayFix」ですが、最終的にはコンパクトさに魅かれてを購入してよかったと思っています。
コンパクトで使いやすい「SC1 EsayFix」ですが、連続噴出時間が短いのはまだしも、ボイラー内の温度が下がるまで連続給水できないのを許せるかどうかが、購入の決め手になるかと思います。
アクセサリーなどは別売されているので、付属品が多い「SC1 EsayFixプレミアム」もよいですが、まずは「SC1 EsayFix」からはじめてみても十分かと。
また、それほどアクセサリーがいらないという人向けには、除菌だけに特化したような最低限のアクセサリーが付属された「SC MINI」も登場しました。
「SC1 EsayFix」は、広範囲でないこまめにお掃除派や一人暮らしには向いていますが、明らかに30分以上連続噴射したいまとめてお掃除派には、やはりもっと噴出時間が長く、パワーもあるキャニスタータイプがおすすめ。
「SC MINI」、「SC2 EsayFix」などキャニスタータイプ3機種の違いは、別にまとめてあるので、各機種それぞれの特徴をよく把握して、後悔のないよう一家に一台ケルヒャースチームクリーナーを取り入れてみて下さい。