沖縄のお塩は、独自の製法で手間暇掛けてつくられているので、質が高くお料理を楽しくさせてくれるものばかり。
近海の海水の特徴を活かした個性的なものが多い、ミネラルを多く含む離島のお塩をまとめてみました。
粟国の塩
那覇市から北西約60キロに位置する粟国島(あぐにじま)の海からくみ上げた海水を使用。
水分を10日間蒸発させ、さらに平釜で30時間煮詰めた後、脱水・乾燥に2週間。
3人の学者と共に、本来の塩を追求し、20年の研究の末に誕生したお塩。
約1ヶ月かけてつくられる、素材の旨味をを引き出す魔法のような海の結晶です。
しっとりとした釜焚と天日塩があり、天日塩は特に貴重です。
雪塩
琉球石灰岩の成分を豊富に含む、宮古島の地下海水を使用。
通常は取り除かれるニガリ分までも凝縮するように、結晶化してつくられているお塩です。
苦みの強いニガリを感じさせない、サラサラとした粉末状なのが特徴。
石垣の塩
日本でも有数の珊瑚礁が形成されている、日本最南端石垣島名蔵湾の海水を100%使用。
石垣の塩づくりは享保2年からはじまり、珊瑚礁が育んだ、カルシウムやマグネシウムなどのミネラルを豊富に含んだ旨味あるお塩。
スナック菓子でも「石垣の塩使用」の表記を見る機会が増えました。
さらさらとした焼塩や粗めの天日干しもあり、用途に合わせて選べるのも魅力です。
黒潮源流塩
黒潮の源流に浮かぶ日本最西端、与那国ブルーの与那国島近海の透明度抜群の海水を使用。
薪だけで1週間以上かけて、丹精こめて炊き上げられるお塩です。
浜比嘉塩
昔ながらの製塩法「流下式塩田」による太陽と風の力で水分を蒸発させてつくられる自然天日100%の粗塩。
自然豊かな神の島、ひるま市浜比嘉島(はまひがしま)の澄んだ海水のみを使用。
天候に左右され、大量生産できない貴重なお塩です。
屋我地島の塩
沖縄県製塩業発祥の地といわれる名護市北部、やんばるの屋我地島(やがじしま)近海の海水を使用。
現在は屋我地大橋ができ陸続きとなりましたが、羽地内海と東シナ海を望む珊瑚礁の島で、製塩に関して約400年の歴史を有しています。
全体的にピンクがかっているのは、炊き上げる鉄釜から染み出す亜鉛や鉄分がほどよく吸収されるため。
「黄金の塩」の別名を持つ、軽い酸味も感じる万能塩です。
白銀の塩
沖縄本土から西へ約100キロ久米島沖、水深612メートルのの海洋深層水を使用。
特注の信楽焼の土釜で、直火を使わず3日間かけてじっくり炊き上げて結晶化させる「土釜製塩法」でつくられる、手間と時間がかかったお塩です。
伊勢神宮の式年遷宮でも献進されました。
まとめ
海水の成分も製法も全く違い、思わず使い比べてみたくなる、一度は行ってみたい島々でつくられるお塩たち。
塩づくりを見学できる施設も多いので、職人さんたちの想いを感じるべく、沖縄旅行の際に訪れてみるのもおすすめです。